2014年09月21日

平成5年7月7日の豪雨

6月28日付南日本新聞 社説
平成5年6月の梅雨入り以降、鹿児島県は雨・大雨・曇りといった天気が続いていたようです。
6月28日付南日本新聞では、「大雨に一段の警戒を」と題した社説を掲載しています。
当時の雨の降り方と鹿児島ならではの危険性を呼びかけています。

「今年の梅雨は典型的な陽性型で、一度降り出したら必ず大雨となっている。入梅からの総雨量が既に1000ミリを超えた所があるほか、各地とも梅雨期間中の平年値を上回っている。姶良郡姶良町では、山崩れによる犠牲者が出てしまった。心配されていた人命への災害が現実になった。鹿児島県では過去4年間、梅雨時の土砂災害による死者はひとりもなく済んでいただけに気の毒である。
山やガケはたっぷり水を含んでおり、少しの雨でも大崩れする危険な状態だ。一段と警戒を強めなければならない。
ガケ崩れや地滑り、土石流はいつ、どこで、どれぐらいの規模で発生するかを予知するのは難しい。思わぬ所が崩れ、予想外の惨事を引き起こす。

災害から身を守るには、一人ひとりが注意する以外にはない。雨の降り方や自宅周辺の状況変化に絶えず気を配る。ちょっとでも危険な兆候を感じたら、迷わずに避難する。平凡だが、難を避けるにはこれしかない。

鹿児島県には傾斜が15度以上ある谷のうち、下流域で5戸以上の民家に被害の出る可能性がある土石流危険渓流が1,888ヶ所ある。ガケ崩れ危険個所も約2800ヶ所にのぼる。
これに対し、砂防ダム建設などの防災対策は約2割しか整備されていない。どこでも災害が起こる可能性があることを頭に入れ、雨期を安全に乗り切る手立てを考えておきたい。」

■ 7月2日の災害
月が変わった7月初旬、鹿児島県は各地で大雨による被害が出ていました。
3日付南日本新聞25面、「ガケ崩れ5棟全半壊、鹿県内各地で大雨被害23世帯65人避難」と題する記事が掲載されていました。

「梅雨前線が停滞する鹿児島地方は、2日午後も強い雨が降り、鹿児島市のほか出水市でガケ崩れが相次いだ。県内では同日だけでも住家など5棟が全半壊、3棟の一部が壊れ、被災世帯を含め23世帯65人が避難した。
指宿スカイラインをはじめ道路の全面通行止めも続いている。JR各線、鹿児島空港発着便のダイヤも大幅に乱れた。」
「鹿児島市皷川町では、同日午後4時40分頃、市道下のガケが高さ30m、幅20mにわたって崩れた。ケガ人や住家損壊などの被害はなかったが、付近の12世帯40人が親類宅などに避難した。
県内の河川も増水、鹿児島市の甲突川と新川が一時、警戒水位に達したほか、川内川や万之瀬川でも警戒水位を超えた。
鹿児島地方気象台は、これまで降り続いた雨の影響で河川が増水、地盤の緩みは一段と進んでおり、今後少しの雨でもガケ崩れ、地滑りなどが起こる恐れがあるとして、警戒を呼び掛けている。」

■ 7月4日の大雨被害
大雨は4日にも降り、このときは北薩を中心に強く降ったようです。
「特急など59本運休、鹿児島地方 大雨 川内では国道陥没」(南日本新聞7月5日付)

「鹿児島県警のまとめによると、宮之城町などで住家など10棟が浸水、ガケ崩れで3棟の一部が壊れた。
川内市西方町の国道3号では道路が陥没、全面通行止めになったほか、同日午後10時現在、県内の国道、県道各6ヶ所が全面通行止めになっている。
垂水市田神の県道垂水南之郷線では、道路わきの斜面が崩れ電柱をなぎ倒し、同市牛根地区などの約三千戸が一時停電、同市内の電話158回線が不通になっている。
鹿児島線の上川内―阿久根間で線路が冠水、特急、普通列車合わせて上下59本が全面運休したり部分運休した。」

「4日未明から北薩地方を中心に激しい雨が降った。降り始めからの雨量は多い所で200ミリ〜300ミリに達した。
各地の降り始めからの雨量は4日午後9時現在、紫尾山313ミリ、宮之城277ミリ、川内259ミリ、鹿屋71ミリ、鹿児島98ミリ、えびの234ミリ、宮崎63ミリとなっている。」

■ 7月6日付南日本新聞「かごしま都市圏」より
梅雨入り以降、晴れた日がほとんどない鹿児島市。長雨の影響は様々な商売にも影響を与えていました。
7月6日付南日本新聞の「鹿児島都市圏」欄に、次のような記事が掲載されていました。

【 うんざり大雨困った 】
梅雨前線の影響で連日、土砂降りに見舞われている鹿児島地方。鹿児島市の6月の総雨量は平年の約2倍の775ミリ。今月は5日午後3時現在ですでに396ミリを記録している。梅雨空を見上げる市民からは、いろんな声が聞かれる。

電器店
雨続きのなか、乾燥機は主婦の人気商品。
洗濯物に悩む主婦に、乾燥機が売れている。市内の大型店の6月売上は、前年同月より6割伸びた。主婦がひとりで買いに来るケースが多いという。「共働きの増加で主婦はお金を持っている。雨続きでうんざりしたのでは」と、売場の担当者
映画館
「恵みの雨どころか、これだけ降れば観客の足も遠のきがち。先週末の来館者数も前週より2〜3割は落ちた。」
農業
吉野町の農家の方が、こんな風にコメントしています。
「軟弱野菜は日照不足でまったくダメ」とため息。約100uあたりの収量は、例年なら80sが、今年は10s前後という。収量が持ち直すのは、7月下旬から8月下旬になりそう。
● 傘 店
修理依頼が増えている。山下町の傘店に持ち込まれる傘は、多い日で1日50本。「昨年より忙しい。晴れ間や小雨を見計らって持ち込む客が多い。車などのドアに挟んで傘の骨を折る人がほとんど。雨が強いから、慌てて傘をさすんでしょう」

■ 7月7日の豪雨
7月8日付南日本新聞・南風録に次のようなコラムが掲載されていました。

「来る日も来る日も雨ばかりだ。梅雨は陽性型と陰性型に分けられるが、今年は両方を併せもったような、ときには恐ろしく、ときにはうっとうしい降り方が続いている。
長雨で地盤がゆるんでいたところへ、追い打ちをかける豪雨。災害への恐怖、不安はしばらく消えそうにもない。
毎年そうだが、梅雨の末期には多数の死者を出す被害が起きている。7年前の昭和61年7月には鹿児島市で18人が死亡した。そのほとんどは、ガケ下に住む人たちだった。危険はわかっていても、住み慣れたところからは動けない。

梅雨に入ったのは五月下旬だった。県本土はすでに昨年を大きく上回る雨量を記録している。鹿児島市では1400ミリを突破して、観測史上3位の1262ミリ(昭和28年)を抜いた。市内を流れる川が、これからの雨を持ちこたえられるか不安がます。

山を削って団地を造り、土の上にコンクリートを重ねた。それまで樹木や土が吸い込んでいた雨は中小の川へどっと流れ込むようになってきている。
梅雨明け宣言が待ち遠しい。早く青空が見たい。
だがこんなときこそ、開発と災害、治山、治水について考えてみたい。天災で済ましているなかに、実は人災があるんだということを、自然は教えている。」

【 7日の災害 】
梅雨前線の停滞による激しい大雨で、鹿児島県内では7日午後も災害が続発しました。
この大雨によって、6ヶ所で7人の死者を出す災害が発生しました。
末吉町南之郷、鹿児島市吉野町磯、大隅町中之内、松山町新橋、頴娃町別府、山川町成川。
鹿児島市郡元町では、高さ60mのガケが上部から25m、幅30mにわたって崩れ、68歳の女性が生き埋めとなりました。2時間半後、奇跡的に女性は救出されたそうです。
郡元町の土砂崩れでは、5棟全壊・2棟半壊、7棟が一部損壊の被害を受けました。
鹿児島市吉野町の三船病院裏山で鉄砲水が発生しましたが、患者や施設に被害はありませんでした。
県道・国道などの道路も寸断、JRなど交通機関の乱れも終日つづきました。

この日、鹿児島県内は各地で日間雨量が150ミリを超えていました。
鹿児島地方気象台によると、枕崎では7日の半日だけで315ミリを記録。日間雨量としては、大正12年の観測所開設以来の最高であったそうです。

■ 7月18日の豪雨
大雨は、7月半ばにも鹿児島県に降り、各地に被害をもたらしていました。
7月19日付南日本新聞より、「九州道一時通行止め、豪雨で鹿県内各地に被害」

「活発な梅雨前線の南下に伴って、九州南部地方は18日午前にかけて強い雨が降り、ガケ崩れなどによる道路規制が相次いだ。
鹿児島地方気象台の観測によると、同日午前の各地の1時間雨量は、えびの53ミリ、宮之城42ミリ、霧島御池51ミリ、鹿児島28ミリなどを記録した。」

この大雨で、道路の陥没や土砂崩れの災害が発生しました。

午前8時過ぎ、九州自動車道栗野−えびのインター間で、中央分離帯が長さ3m、幅4mにわたって陥没、全面通行止めになった。応急措置によって、午後3時には車線規制によって開通しています。
また、垂水市の国道220号では、午前8時頃、小浜−牛根麓間でボラ流出のため全面通行止め。応急措置により、午後1時半に片側通行となりました。

7月19日以後、雨は小康状態となりました。
しかし、31日に鹿児島・宮崎は200ミリを超す大雨に襲われることになります。
posted by ぶらかご.com at 23:40| Comment(0) | 鹿児島の災害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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