2014年10月06日

平成5年8月9日の台風7号

概 況
大型で非常に強い台風となった7号(中心気圧940hPa)は、9日夜、九州南部を暴風域に巻き込みながら九州の西海上を北上しました。
県本土への直撃は免れたものの、ひと晩じゅう激しい風と雨が吹き荒れました。
鹿児島地方気象台によると、午後0時30分名瀬市で最大瞬間風速49.4mを記録。
枕崎市で午後6時50分に45.9m、鹿児島市では午後10時10分に34.5mの風速を記録しました。

また、台風を取り巻く強い雨雲が次々に九州南部を覆いました。
そのため、大隅半島や宮崎県を中心に1時間に20〜50oの強い雨が降りました。
午後6時までの1時間に宮崎県国富町本庄で58o、宮崎市で53oの集中豪雨を観測。
鹿児島県内でも午後10時までに高山町で42mm、甫与志岳で32oなどを記録しました。
高山町や鹿屋市などでは、降り始めからの総雨量が200oを超えた所もありました。
鹿児島市にあっては、午後11時までに93oに達しました。

被害状況
降り始めからの総雨量は100o以上となった所が多く、大隅半島では1時間に20〜50oの強い雨を観測。このため各地でガケ崩れによる被害が相次いだそうです。
垂水市二川では、集落の裏山が崩れ5人が死亡するという災害が発生しました。
この台風で、死者5人・重傷者4人、全壊住家26棟・半壊47棟・一部破損住家988棟、床上浸水24棟・床下浸水329棟もの被害が発生。

豪雨の後遺症と台風被災
豪雨災害の復旧作業が本格化した矢先、大型で非常に強い台風7号が接近。
このため、すべての復旧作業が中断。避難所から帰宅していた人々は、再び避難所へと帰らざるを得ませんでした。

【 断 水 】
8月8日に約4万トンを給水できるまでに復旧していた鹿児島市の河頭浄水場。
9日の台風7号による雨で、甲突川の水が濁り、午後6時過ぎ取水を停止しました。
降雨量しだいでは、再び冠水するおそれがありました。
冠水すれば、浄水池などに流れ込んだ土砂を撤去しなければならず、復旧が大幅に遅れてしまうという心配がありました。

9日夜、断水していたのは紫原や武岡など高台の団地と、水圧が低く上がらない市街地の高層ビルなど約75000世帯ありました。
断水で困ったのは、医療機関でした。
手術や人工透析、大量の食事を用意する病院では、深刻な影響を受けていました。
国立南九州中央病院では、150トンの貯水タンクが空っぽに近い状態でありました。
鹿児島市や自衛隊から優先的に水の供給を受けていましたが、通常の使用料に及ばず手術を延期、冷房の運転を中止するなどで対処していたそうです。

【 8月11日付南日本新聞18面 】
"断水 鹿児島市なお4割" 
「豪雨の後遺症と台風被災で麻痺した鹿児島県内の水道、電気、電話、ガスは10日、復旧が進んだものの、地域によっては回復がずれ込んだ。
鹿児島市水道局は10日、同市の水道の完全復旧について“市内の7割給水体制まで復旧できるのは好天に恵まれた場合で、早くて17日、完全復旧できるのは20日以降になる”と発表した。
市内最大の河頭浄水場と滝之神浄水場の復旧作業が台風7号の通過で遅れるため。
平川浄水場などをフル運転して給水しているが、10日現在、高台の伊敷・原良・武岡・千年・紫原・星ヶ峯を中心に、市内のほぼ4割の約7.5万世帯で断水が続いている。

【 防疫作業始まる 】
8月12日付南日本新聞19面によると、鹿児島市は11日、豪雨で浸水した地域で伝染病が発生しないよう防疫作業を始めました。初日は甲突川近くの荒田・高麗・新屋敷・南林寺や山之口など天文館一帯を中心に、午前9時〜午後5時まで行ったそうです。
市や民間業者から約40人が作業にあたり、いっぱいに積まれたゴミや被災者宅の床などに消毒液を散布しました。
市環境衛生課は、「対象範囲がかなり広く、作業は盆過ぎまでかかりそう。個人で散布を希望する人には、当課で消毒液を無料配布しているので利用してほしい」としている。

【 九州道に車殺到 渋滞12キロ 】
8月12日付南日本新聞20面によると、8・6豪雨と台風7号で道路網が寸断された鹿児島県内の道路は復旧が続いているが、11日は早朝から大動脈の九州自動車道に車が集中。開通以来最悪の渋滞に見舞われたそうです。
渋滞は午前6時頃には始まり、ピークは10時50分頃であったそうです。
鹿児島市へ向かう車の列が、薩摩吉田インターから延々12qもつながりました。
また、鹿児島市側からの車も長蛇の列。

九州自動車道につながる県道吉野公園線からあふれた車が、国道10号から3号の平田橋まで約11qも数珠つなぎになりました。
このとき九州自動車道の薩摩吉田と加治木の間は、上下とも50キロ規制になっていました。
県警交通規制課は、「渋滞は国道3号と10号が開通するまで続く。車の分散、誘導ができないので、マイカー利用を自重して」と呼びかけていました。

各地の道路が寸断されたままであったため、物流にも大きな影響を与えました。
そのため、小売店への納品が滞ったり、遅延するといったことが起こりました。
水害にあった小売店は営業ができなかったため、消費者は飲料水や食料を求めて営業している店舗に詰めかけました。

8月12日付南日本新聞8面、「水パニック一段落」
断水や物流も改善し始めたらしく、「鹿児島県内の飲料水・食料品については、卸・小売りに回復の兆し」という記事を掲載しています。

8月いっぱいまで、落ち着いた天気であったようです。
この年、鹿児島には異常気象ともいうべき現象が次から次へと襲い掛かりました。
今度は、台風13号が9月初めに襲ってくることになります。
posted by ぶらかご.com at 23:14| Comment(0) | 鹿児島の災害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする