先日の新聞を眺めていると、与党が過半数割れした旨の報道でにぎわっていた。
立憲民主党や国民民主党は、議席を大幅に増やしたそうだ。野党を見渡すと、「生粋の野党」があって、「なんとなく野党」「なんちゃって野党」まである。これは、あくまで筆者の主観である。国会がこれからどうなるのか。魑魅魍魎とした世界のことゆえ、この先になにが起こるか分からぬ。
国会で論戦が復活するかもしれない。チャチャっと論議を終えて多数決。これまで通りにいかないだろう。
選挙結果の報道にうんざりしているところに、極めて異色な報道を目にした。2024年10月28日付・日経MJ1面である。
カプセルトイ一等地に出た 池袋に巨大店 女性が6割 市場10年で倍増
60年を経て、カプセルトイはカルチャーに
リード文はこう記す。
「カプセルトイ」が一等地に踊り出てきた。1500台超の自販機を持つ駅前路面店が6月、東京池袋に誕生した。2025年は日本上陸60年の節目の年で、市場規模も23年度に640億円と過去最高記録。スーパーカーやキン肉マンの消しゴムといった「男の子の玩具」の枠を超え、幅広く支持されるコンテンツに成長。企業も販促品の一つとして評価し始めた。
筆者が子どもの頃は、「ガチャガチャ」と呼んでいた。「カプセルトイ」の方が、なんだかカッコいい。
リード文にある通り、スーパーカーが流行っていた。小さなカプセルに、ゴム製の車が入っていた。消しゴムと言われていたが、文字は消えずにゴムが黒くなるだけといった記憶しかない。
そのためであろうか、集めた覚えがない。
今年の夏に、センテラス天文館へ行った。カプセルトイのフロアがあり、「どんだけあるんだよ」とあきれつつ見て回った。来店客のほとんどが、若い女性であった。
新聞記事の見出しに「女性が6割」とあるのにも、頷いたところである。
まんが倉庫鹿児島店もカプセルトイが、ところ狭しと並んでいる。見て回っていると、マニア心をくすぐる商品が多い。「お弁当シリーズ」や「昔の家電」などもあり、目の付け所に脱帽する。
気になったのは、YouTubeに登場する「霊夢」と「魔理沙」のカプセルトイがあった。思わず購入しようかと考えたのだが、少しばかり理性が働いた。
購入するかどうか、かなり迷ったカプセルトイがあった。セイカ食品のアイスクリームを再現した商品である。「デカバー」あり、「ジャムもなか」あり。
さんざん迷った挙句、購入を控えたのだが、いまだに気になって仕方がない。
日経MJの記事にある通り、企業の販売促進用に役立つかもしれない。市場規模は2023年度に640億円を記録したらしい。「コンテンツに成長」とある。大げさな表現ではないようだ。
■参考文献
日経MJ 2024年10月28日付
2024年10月29日
2024年10月27日
選挙投開票日のすごし方
わが輩は無党派層の一員である。支持政党はまだない。
いつ頃からこうなのか、とんと見当がつかぬ。
昨日付け日本経済新聞の「春秋」は、おもしろかった。民俗学者・柳田國男の論考に関する記事だった。記事は、柳田の論考を引用しつつ述べる。
政治家は事実と違うことを述べることがあるから、国民は批評の力を養わねばならぬ。国に賢明な政治をさせるには、賢明な政治家を選ぶほかない。帳簿に基づき選挙費会計を候補者に公開させろ、とも訴えている。
政治に関して考えるに、柳田が生きた時代と現代は殆ど変わっていない印象を受ける。
外交評論家の清沢洌は、1934年の講演で「今の日本にはディスカッションがない」と述べている。
ここ数年に起きた鹿児島の事例を挙げてみる。馬島島の問題、川内原発に関する住民投票などをみると、ディスカッションはなかった。柳田と清沢が指摘は、現代にも生き続けているようだ。
「春秋」は、柳田の論考をつづける。
折り入って人に頼まれたからと投票先を決めるようでは国は改まらない。
選挙前になると、こうした体験は多々ある。そのたびに、「了解しました。頑張ってください」と大人の対応をとる。
記事はつづける。
自分の利益しか考えない人。責任を重んじない人。「もしも、こんな人たちが政治にたずさわったら、どうなるでしょう」
「もしも」を繰り返さないために。考え抜いた1票が要る。
差別的発言をつづける議員や政治資金の虚偽報告をした議員など、今年の新聞記事は紙面を賑わせていた。新聞報道によると、今回の選挙は自公の過半数をとれるか否かが争点らしい。それでいいのかねと、思いつつ新聞をたたむ。
今日は衆議院議員選挙の投票日。
テレビ欄に目をやると、午後8時から開票速報番組が目白押しである。鹿児島の選挙区は、午後8時半ごろまでにカタがつく。開票率0%なのに。ヘソの曲がった筆者は思う。
時には、「当選確実」が外れればいいのにと。
さて、午後8時半以後の過ごし方をどうするか。Eテレだけが、選挙を扱わない。
テレビ欄をのぞくと、午後9時から「古典芸能への招待」とある。
う〜ん、今回も「YouTube」かな。
■参考文献
「春秋」2024年10月26日付・日本経済新聞
『柳田国男民主主義論集』(大塚英志・平凡社ライブラリー・2020年)

柳田國男民主主義論集 (平凡社ライブラリー0885) - 柳田 國男, 大塚 英志
いつ頃からこうなのか、とんと見当がつかぬ。
昨日付け日本経済新聞の「春秋」は、おもしろかった。民俗学者・柳田國男の論考に関する記事だった。記事は、柳田の論考を引用しつつ述べる。
政治家は事実と違うことを述べることがあるから、国民は批評の力を養わねばならぬ。国に賢明な政治をさせるには、賢明な政治家を選ぶほかない。帳簿に基づき選挙費会計を候補者に公開させろ、とも訴えている。
政治に関して考えるに、柳田が生きた時代と現代は殆ど変わっていない印象を受ける。
外交評論家の清沢洌は、1934年の講演で「今の日本にはディスカッションがない」と述べている。
ここ数年に起きた鹿児島の事例を挙げてみる。馬島島の問題、川内原発に関する住民投票などをみると、ディスカッションはなかった。柳田と清沢が指摘は、現代にも生き続けているようだ。
「春秋」は、柳田の論考をつづける。
折り入って人に頼まれたからと投票先を決めるようでは国は改まらない。
選挙前になると、こうした体験は多々ある。そのたびに、「了解しました。頑張ってください」と大人の対応をとる。
記事はつづける。
自分の利益しか考えない人。責任を重んじない人。「もしも、こんな人たちが政治にたずさわったら、どうなるでしょう」
「もしも」を繰り返さないために。考え抜いた1票が要る。
差別的発言をつづける議員や政治資金の虚偽報告をした議員など、今年の新聞記事は紙面を賑わせていた。新聞報道によると、今回の選挙は自公の過半数をとれるか否かが争点らしい。それでいいのかねと、思いつつ新聞をたたむ。
今日は衆議院議員選挙の投票日。
テレビ欄に目をやると、午後8時から開票速報番組が目白押しである。鹿児島の選挙区は、午後8時半ごろまでにカタがつく。開票率0%なのに。ヘソの曲がった筆者は思う。
時には、「当選確実」が外れればいいのにと。
さて、午後8時半以後の過ごし方をどうするか。Eテレだけが、選挙を扱わない。
テレビ欄をのぞくと、午後9時から「古典芸能への招待」とある。
う〜ん、今回も「YouTube」かな。
■参考文献
「春秋」2024年10月26日付・日本経済新聞
『柳田国男民主主義論集』(大塚英志・平凡社ライブラリー・2020年)

柳田國男民主主義論集 (平凡社ライブラリー0885) - 柳田 國男, 大塚 英志
2024年10月23日
昭和19年10月10日の空襲 那覇市
今月10日の新聞を読んでいて、腑に落ちない記事を目にした。2024年10月10日付朝日新聞「10・10空襲 那覇市街9割焼失」である。
記事は、次のように記す。
10・10空襲は、米軍による日本への初めての本格的無差別爆撃で、翌年の沖縄戦や日本本土空襲の先駆けとなった。「沖縄県史」によると、44年10月10日、艦載機や爆撃機など延1396機が奄美大島以南の南西諸島各地を攻撃。
この記事で腑に落ちぬ点が2つある。
ひとつは、「爆撃機」である。艦載機に関する記述は問題ない。この日の攻撃は、ハルゼー大将率いる第3艦隊が行っている。この空襲の特徴は、米軍艦載機が初めて日本国内の領土を攻撃したことである。
「爆撃機」が分からない。どこの基地から飛来したのであろうか。また、どのような機種であったろうか。可能性として、中国大陸は成都基地から飛来かもしれない。国会図書館デジタルレクションで、20爆撃機集団の報告書を探してみる。攻撃目標が「沖縄」と記された文書を見いだせない。
この日、覇市を攻撃した爆撃機について御存じの方がありましたら、一報くださるとありがたい。
この空襲、奄美大島や徳之島も攻撃されている。鹿児島県の空襲として考えるに、軽視できない。
ふたつ目は、「無差別爆撃」の記述である。
太平洋戦争中の空襲に関する新聞報道で、「無差別爆撃」の文字を目にするようになった。
「無差別爆撃」の定義をしっかり整えてから論じるべきであろう。この言葉を使う背景に、被害者」の視点が透けて見える。日本人にしか分からない、内向きの論理のひとつかもしれない。
無差別爆撃を論じる際は、海外の人々にも理解されるような内容にすべきと考える。
昭和19年は、とても忙しい歴史である。軍事史をはじめ、政治史、経済史など。ありとあらゆる戦闘や事件が発生しており、筆者はうまく整理できていない。
この年について少しばかり触れてみる。当時の新聞にめくると、外地からの物資が滞り始めた印象をうける。
軍需工場で物資が不足して、代用品を使い始めたとする記事が目立つ。船舶を集中的に攻撃した米軍の狙いは、昭和19年に成果が表れたようだ。
この年は自然災害も発生している。昭和東南海地震が最大の自然災害であろう。内田百閧竦エ沢洌が、日記に書き残している。
また、昭和19年後半から寒さが厳しかったらしい。徳川無声が、日記に書き残している。
とにかく、昭和19年は事件が目白押しである。その辺りも念頭に置きつつ、戦争のあった時代を見つめる必要があると思う。
■参考文献
「10・10空襲 那覇市街9割焼失」(2024年10月10日付朝日新聞)
記事は、次のように記す。
10・10空襲は、米軍による日本への初めての本格的無差別爆撃で、翌年の沖縄戦や日本本土空襲の先駆けとなった。「沖縄県史」によると、44年10月10日、艦載機や爆撃機など延1396機が奄美大島以南の南西諸島各地を攻撃。
この記事で腑に落ちぬ点が2つある。
ひとつは、「爆撃機」である。艦載機に関する記述は問題ない。この日の攻撃は、ハルゼー大将率いる第3艦隊が行っている。この空襲の特徴は、米軍艦載機が初めて日本国内の領土を攻撃したことである。
「爆撃機」が分からない。どこの基地から飛来したのであろうか。また、どのような機種であったろうか。可能性として、中国大陸は成都基地から飛来かもしれない。国会図書館デジタルレクションで、20爆撃機集団の報告書を探してみる。攻撃目標が「沖縄」と記された文書を見いだせない。
この日、覇市を攻撃した爆撃機について御存じの方がありましたら、一報くださるとありがたい。
この空襲、奄美大島や徳之島も攻撃されている。鹿児島県の空襲として考えるに、軽視できない。
ふたつ目は、「無差別爆撃」の記述である。
太平洋戦争中の空襲に関する新聞報道で、「無差別爆撃」の文字を目にするようになった。
「無差別爆撃」の定義をしっかり整えてから論じるべきであろう。この言葉を使う背景に、被害者」の視点が透けて見える。日本人にしか分からない、内向きの論理のひとつかもしれない。
無差別爆撃を論じる際は、海外の人々にも理解されるような内容にすべきと考える。
昭和19年は、とても忙しい歴史である。軍事史をはじめ、政治史、経済史など。ありとあらゆる戦闘や事件が発生しており、筆者はうまく整理できていない。
この年について少しばかり触れてみる。当時の新聞にめくると、外地からの物資が滞り始めた印象をうける。
軍需工場で物資が不足して、代用品を使い始めたとする記事が目立つ。船舶を集中的に攻撃した米軍の狙いは、昭和19年に成果が表れたようだ。
この年は自然災害も発生している。昭和東南海地震が最大の自然災害であろう。内田百閧竦エ沢洌が、日記に書き残している。
また、昭和19年後半から寒さが厳しかったらしい。徳川無声が、日記に書き残している。
とにかく、昭和19年は事件が目白押しである。その辺りも念頭に置きつつ、戦争のあった時代を見つめる必要があると思う。
■参考文献
「10・10空襲 那覇市街9割焼失」(2024年10月10日付朝日新聞)