なんでも、消費税率を上げることに執着している政治家や財務省の思惑を揶揄する表現の由。

ザイム真理教 - 森永 卓郎
この言葉、経済評論家の森永卓郎著『ザイム真理教 それは信者8000万人の巨大カルト』が源のようだ。また、財務省の公式X(ツイッター)に批判コメントが寄せられているそうだ。
財務省といえば、消費税を上げるのに躍起といったイメージを受ける。批判的なコメントを送る気持ちは十分にわかる。消費税を上げる前に、所得税の累進税率の見直しなど考えるべきは他にもありそうなものを。また、税金の使われ方も見直さなくては。
ただでさえ、国民に負担を強いてばかりではないか・・・。そういう感情が渦巻く。
先だって目を通した書物に、『

黙つて働き 笑つて納税 戦時国策スローガン 傑作100選』を読んだ。おもしろかった。
「黙って働き 笑って納税」は、昭和12年に登場したらしい。
他にも、「働いて耐えて笑って御奉公」(昭和16年)、「まだまだ足りない辛抱努力」(昭和16年)。
厚生労働省と財務省のエリート達は、今もこの考え方を持っているかもしれない。
こんな標語もある。
「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」(昭和17年)
これは、当時の国民に向けて発せられているのだが、財務省の人たちに届けたい標語だ。
考えさせられた標語もあった。
「国策に理屈は抜きだ実践だ」(昭和16年)
川内原発再稼働や馬毛島などの新聞記事に目を通していると、まさに標語の通りである。
妙に納得した。
同書に、思わず笑った標語があった。
「早く見つけよ敵機とムシ歯」(昭和17年)
文章を書く際、「並列」というのがある。この標語は、あえて崩している。作者に文章力とパロディさえも感じる。
同書の作者も述べる。
なんで虫歯なのか。(途中省略)「敵機」と「ムシ歯」を並べたところに作者の豊かな想像力を感じないではいられない。
同書に掲載されている標語に目を通していくと、すべて国民に負担を強いるものばかりである。戦時中の標語が、そのまま現代に当てはまるのではないか。
国会で論戦が始まったらしい。これまでのように、チャチャと議論、サクッと採決という訳にいかない。「決められない政治」というフレーズが復活するかもしれないが・・・。
■参考文献
『黙って働き 笑って納税 戦時国策スローガン傑作100選』(里中哲彦・現代書館・2013年)
『ザイム真理教 それは信者8000万人の巨大カルト』(森永卓郎・三語館シンシャ・2023年)